近年話題になっている「Z世代」という存在。マーケティング活動を行う企業にとって必ず押さえておくべきワードです。

インターネットの発達とともに育ってきたZ世代は、これまでの30代以降の世代の人たちとは大きく価値観も異なります。そこで、この記事では「Z世代」の前提知識を説明しつつ、Z世代に向けた適切なマーケティングの手法について解説していきます。

▼この記事でわかる内容
・Z世代とは何か ・Z世代のマーケティング手法 ・Z世代マーケティングの成功事例

こうした点をしっかり理解しておくことで、効果的なマーケティング活動を行うことができます。ぜひ最後までお付き合いいただけたら幸いです。

Z世代とは何か

Z世代（Generation Z）は、1990年代半ばから2010年代初頭に生まれた世代を指します。

この世代は、主に2000年代に青春期や成長期を迎えた個人で構成されています。Z世代の前はミレニアル世代（またはジェネレーションY）であり、その後にはアルファ世代が続きます。

特徴	アルファ世代	Z世代	ミレニアル世代
出生年代	2010年代初頭〜現在	1990年代半ば〜2010年代初頭	1980年代初頭〜2000年代初頭
デジタル環境への適応	デジタルネイティブ（第二世代）	デジタルネイティブ（第一世代）	デジタル移行期
主要な社会・経済的背景	AI、ロボティクス、気候変動	金融危機、社会的・政治的動揺	インターネット革命、グローバリゼーション
テクノロジーとの関係	高度にテクノロジー中心	デジタルコミュニケーション中心	デジタルとアナログの混在
価値観と傾向	多様性への寛容、環境意識	社会正義、環境問題への関心	個人主義、繋がりを重視

Z世代は、インターネットとデジタルテクノロジーの全盛期に育った最初の世代であり、多くの場合、「デジタルネイティブ」と称されます。インターネットがすでに生活の中で当たり前になっています。

成人してからインターネットに触れたミレニアル世代と比べて、デジタルと触れ合っている時間が長い点が特徴です。特にインターネット登場以前は一方通行の情報収集が当たり前でした。

Z世代の特徴と趣味嗜好

ここでは、Z世代の特徴について解説していきます。Z世代の行動や嗜好は、マーケティング戦略や製品開発において重要な意味を持ちます。

• 価値観とライフスタイル
• 趣味嗜好と消費行動

特に上記の2点について深掘りしていきます。また、上記の内容をまとめると下記のようになります。

Z世代の価値観とライフスタイル

Z世代はデジタル技術と共に育ってきたため、テクノロジーとの親和性が非常に高いです。彼らにとって、スマートフォンやソーシャルメディアは日常生活に欠かせない要素です。

彼らは主に社会問題、特に環境保護や社会正義に対する意識が高い傾向にあります。

消費するブランドや商品が持続可能性や倫理的な問題にどのように取り組んでいるかに敏感です。特に、就活の際にSDGsに積極的に取り組んでいる企業しか受けない学生が生まれ始めたのもZ世代の特徴です。

その一環で、多様性を受け入れる姿勢が強く、異なる文化や考え方、生き方を尊重すべきだと考えています。

Z世代は自己表現と個性を重視します。彼らは自分自身を特別な存在として見せることを好み、これがファッション、アート、音楽の選択に反映されます。

Z世代の趣味嗜好と消費行動

Z世代はソーシャルメディアを活用して情報を獲得したり、人と繋がったりします。また、オンラインゲームやNetflix等の動画サービスを積極的に利用しています。

その中で、Z世代は物質的な所有よりも、体験やイベントに価値を見出します。例えば、「車」や「お金」に対する欲求が薄く、音楽フェスティバル、旅行、アートイベントなど、体験型の活動に時間を費やす傾向が高いです。

また、オンラインショッピングが当たり前になっており、ECサイトや比較サイトのレビューや口コミを重視し、購入前の情報収集を念入りに行うことが特徴です。

購入する製品やサービスにおいて環境への影響を重視します。サステナブルなファッション、オーガニック食品、リサイクルやアップサイクル製品への関心が高いです。

Z世代のマーケティングの手法

Z世代に対してマーケティング活動を行う上で、Z世代の特性を押さえることは非常に重要です。

そこで、ここではZ世代に対して効果的なマーケティングをする上で押さえておくべき点について解説していきます。

デジタルとソーシャルメディアの活用

企業がZ世代に対してマーケティング活動をする場合、デジタルを活用することは必須となります。具体的には下記の3点を押さえておきましょう。

• SNSの活用
• インフルエンサーの起用
• エンゲージメントの促進

大前提、Z世代はSNSを情報源として広く利用しています。彼らはInstagram、TikTok、Twitterなどのプラットフォームで新しいトレンドを発見し、情報を共有します。そして、トレンド自体をZ世代が生み出します。

企業も彼/彼女らと同様にSNS上で活発に活動し、Z世代との接点を増やすことが必要になります。これが、認知獲得や購買促進につながることになります。

また、影響力のあるインフルエンサーとの協力は、Z世代に対する効果的なアプローチです。彼らはインフルエンサーを信頼し、彼らが推奨する製品やサービスに対して興味関心を持つ可能性が非常に高いです。

さらに、企業は一方通行なコンテンツではなく、ユーザー参加型のキャンペーン等を通じて、Z世代のエンゲージメントを促進することが重要になります。例えば、コンテスト、クイズ、インタラクティブな投票などが効果的です。

パーソナライズされた製品やコミュニケーションの重要性

Z世代は自分たちのニーズや好みに合わせてカスタマイズされた製品やサービスを求めます。彼/彼女らは、自身の「個性」を非常に大事にします。

企業は顧客一人ひとりの好みや興味に合わせたパーソナライズされたコンテンツや製品を提供することで、より魅力的なブランド体験を提供できます。

自分だけのユニークな製品を求めるZ世代にとって、カスタマイズ可能な製品は大きな魅力です。例えば、名前やデザインを自分で選べる製品などは、この世代にとって特に人気があります。

さらにメールやソーシャルメディアでの発信を通じて、個別にカスタマイズされたコミュニケーションを行うことで、顧客との関係を強化できます。

国内企業によるZ世代マーケティングの成功事例

ここでは、国内企業によるZ世代マーケティングの成功事例について解説していきます。

▼国内企業によるZ世代マーケティングの成功事例
・事例①｜UNIQLO ・事例②｜LINE

事例①｜UNIQLO

ユニクロは、ファッション業界でのサステナビリティへの取り組みを前面に押し出し、Z世代の環境意識の高い価値観に訴えかけています。

また、ソーシャルメディアを通じたエンゲージメントやコラボレーション企画で、若い消費者層とのつながりを強化しています。

事例②｜LINE

日本のコミュニケーションアプリ「LINE」は、若者向けのマーケティングにおいて大きな成功を収めています。

スタンプやゲームなど、Z世代の趣味嗜好に合わせた機能を提供し、アプリ内でのエンゲージメントを高めています。

海外企業によるZ世代マーケティングの成功事例

ここでは海外の著名企業によるZ世代マーケティングの成功事例について解説していきます。

▼海外企業によるZ世代マーケティングの成功事例
・事例①｜Nike ・事例②｜spotify

事例①｜Nike

Nikeは、ソーシャルメディアやインフルエンサーマーケティングを通じてZ世代にアプローチしています。

彼らは、スポーツの力で社会問題に取り組む姿勢を示し、Z世代の社会的意識に訴えかけています。

事例②｜spotify

音楽ストリーミングサービスのSpotifyは、個々のリスニングデータに基づいたカスタマイズされたプレイリストを提供し、Z世代の個性と独自性を重視する傾向に応えています。

また、ソーシャルメディアでのプレイリスト共有機能は、若者のコミュニティ形成を促進しています。

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。スマホネイティブ世代であるZ世代に関して、30代以降であれば共感しにくい部分もあるのではないでしょうか？ただ、企業のマーケティング担当者であれば必ず理解しておくべき点です。

この記事を読んで少しでもマーケティング活動の参考になれば幸いです。